どれほどの時間が経ったのか。


ほんの何秒かそれとももっと長い時間だったのか。


「…久保田さん、そろそろ…」


「そろそろ。なぁに?」


私を見つめる両目はほんの少しイジワル、で。


「離し、て…」


「イヤだよ?この状況で離すわけがないでしょ」


瞬時に返ってきた返答は、さらにイジワル、だ。


蒼ちゃん。


呼ばれるも、目が合わせられない。