ふふふ。


蒼ちゃん、どしたの?この状況でぼーっとできるなんて。


寝転んでいる久保田さんに覆い被さっている、この状況。


急に思い出して、


「…す、すいません、なんだか、すいません…ッ!」


がばっと起き上がろうとした私の腕を、ふいに引いた久保田さん。


気が付くと、世界が反転している。


今度は、久保田さんが私を見下ろしている。


ゆっくりと、久保田さんの手のひらが私の頬を撫でる。


その優しい目の中に、私が映っているのが見える。


それほどの近い距離は、少しの恥ずかしさとたくさんの嬉しさを連れてくる。