ふふふ。


久保田さん、耳まで真っ赤、ですよ?


そんな私のからかいに、


「だから、ごめんって!ごめんごめん!もう、降参。蒼ちゃんの勝ち!!」


ね?、だから、新しい曲いっしょに探そ!!


言いながら、早くも私のスマホに手を掛けている。


「駄目ですよ!嫌です!だって私この曲大好きだし、電話が掛かってきたら久保田さんが歌ってくれるなんて、最高じゃないですか」


「だったら、いつだってオレが蒼ちゃんの目の前で歌ってあげるから!」


オレ、デビュー当時はなんでもやってやろうって、来た仕事は全部受けてたから、歌手デビューとかしちゃったけど、そもそもオレ、歌上手くないし!オレが蒼ちゃんに電話掛けたら、オレの曲が、流れるとか、ただのバカップルだから!!


「はい!スマホ寄越して!!」


言いながら、私が掴んでいるスマホを取り上げようとする。