着信音が鳴り響いた瞬間、


「…わッ!蒼ちゃん!蒼ちゃん!!蒼ちゃんッ!!ちょっと、何してくれてんのッ!!」


珍しく、あたふたしている久保田さんは、思いのほかキュートだ。


このままこの際、スマホが見つからなければいいななんて思ってしまう。


「あッ!あった!あったよ、蒼ちゃんッ!!」


ソファーに置いてある、クッションとクッションの隙間から、私のスマホを見つけ出して光の速さで私に手渡してくれた。


そのスマホを、久保田さんに向ける。


「いい曲です、ね?」


にっこり笑ってみせる。