予期せずして、赤くなった頬。


こんなに近くじゃ、隠しきれなくて。


はー、なんか暑いなー、窓、開けてきます。


誤魔化して歩きだそうとした私の右手をひいた、久保田さん。


「蒼ちゃん、何か勘違いしてるみたいだけど」


蒼ちゃんのことは、ね?『わりと』じゃなくて、『すごく』好き、だよ?


後ろから、耳元で囁かれた。


久保田さんが、私の耳元へくちびるを寄せる場面が、俯瞰で思い浮かぶ。


「……、」


ますます、顔があげられない。


ましてや、この状況で振り返る、など。