なんだか、可笑しくなってしまって、ふたりで顔を見合わせて笑う。


いつの間にか、私のてのひらには、久保田さんの手のひらが握られている。


その体温は、泣きたくなるくらいに、あたたかい。



お互いが同じ気持ちなら、大丈夫。


そうして、恋人とこんな風に思いあえるなんて初めてのこと、で。


30を過ぎてこんなに愛おしい経験ができることに、ココロから感謝した。


「オレも、受けて立つから。蒼ちゃんと、ちゃんと向き合っていっしょにいたいから」


覚えておいて、ね?


覚悟のような、握手が、なおさら嬉しい。