『恋人に求めること』って、ヤツです、よ。


いたずらっぽく、呟いた久保田さん。


確かに、この前まではあのインタビュー記事で答えたことが理想だったんだけど、ね。


そうして今も、そう思ってる部分は、あるんだ。


でもそれは、蒼ちゃんには当てはまらないの。


あの記事は、蒼ちゃん以外のひとだったら、って、こと。


「……、」


久保田さんの本当に伝えたいことがいまいち分からなくて、


「ふふふ。ほら、蒼ちゃんまた、『鳩豆』」


笑いながら、私の鼻先を親指と人差し指の指先で摘まんだ久保田さん。