「おはようございます」

重役出勤だな、おい。

心の中で呟きながら、私は秘書課に顔を出した。

「おはようございます、関谷さん」

浦井さんがあいさつを返してくれた。

私は自分のデスクに腰を下ろすと、
「あの…」
と、浦井さんに声をかけた。

「はい?」

「社長って、こんな人なんですか?」

そう聞いた私に浦井さんは首を傾げた。

「それは、どう言う意味ですか?」

訳がわからないと言うように聞いてきた浦井さんに、私は昨日と今日の出来事を説明した。

「新しくついた自分の秘書に買い物をさせると言うか…」

そう言った私に、
「社長、よっぽど関谷さんのことを気に入っているんですね」
と、浦井さんは言った。

「えっ?」

それはどう言う意味なのだろうか?