社長は少し考えると、
「わかった、そうしよう」
と、言ったので私はホッと胸をなで下ろそした。

これで解約とか言われてしまったらどうしようかと思っていた。

何より、せっかく払ったお金がもったいない…。

「そうだ、明日のことについてなんだが」

社長が話を切り出してきた。

「明日は午後に出社する」

そう言った社長に、
「午後からですか?」
と、私は聞き返した。

やった、朝寝坊ができるぞ!

心の中で喜んでいたら、
「9時にビューティーアドバイザーの人がきて君の髪や肌にあう化粧品を買うから」
と、社長は続けて言った。

「け、化粧品ですか…」

また長くなりそうだな、おい。

と言うか、身の丈にあったものでいいっつーの。

心の中でツッコミを入れていたら、
「俺の秘書である以上は、今までと同じと言う訳にはいかないからな」
と、社長は言った。