「まあ、秘書の仕事で何かわからないことがあったら俺に相談してくれ。

できる限りのことは力になりたいし、愚痴も聞いてやるから」

「兄ちゃん…」

いい加減でおおざっぱなくせに、こう言うところは便りになる。

「兄ちゃんでよかったよ」

「どう言う意味だ?」

訳がわからないと言うように聞き返した兄に、
「男としては嫌だなと言う意味」
と、私は答えた。

「お前…」

「事実だもん。

いい加減にその性格を治さないと、夜道で女に刺されても文句は言えないからね?」

そう言った私に、
「…それに関してはもう心配するな」
と、兄は言い返した。

「えっ?」

それはもしかして、
「兄ちゃん、本気で好きな人ができたの?」
と、私は聞いた。