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社長秘書に抜擢されたその日の午後、私は社長にあちこちの百貨店に連れ回された。

ある百貨店で私は着せ替え人形かとツッコミを入れたくなるくらいに服を試着されてサイズがあうかの確認をした後は、私の意見を聞いたうえで社長に決められた。

服だけで疲れたと言うのに、また別の百貨店に連れて行かれて服と同じように下着も躰にあうかどうかの確認をさせられた。

またさらに別の百貨店では靴に何足も足を入れて…それらが終わった頃には、少なくとも１週間分の仕事をしたんじゃないかと思うくらいにクタクタになっていた。

「社長、もう時間も時間ですし…今日のところはこれくらいにしませんか？」

腕時計は夜の７時を過ぎたところである。

定時あがりをモットーにしている私からして見たら大残業である。