と言うか、
「そこまでしますか?」

某大河ドラマかと言うのはわかっているが、言いたくなった。

「君がわかっていないのが悪い」

「そう言いますか…」

私も私なのかも知れないけど、わかりにくい社長も社長である。

「とにかく…」

社長は私に向かって手を伸ばすと、頬に当てた。

「このまま俺のそばにいて、俺のことを知って、俺のことを好きになって欲しい」

「ーーッ…」

それを言いますか、おい…。

言われて好きなるヤツがいるのかと言う話だけど、ずるいだろ…。

ここはもう大人しく降参して、彼に捕まって、彼のそばにいるしか他がないのかも知れない。

「身も心も常に俺に捧げる覚悟でいろ」

だから、ずるいっつーの。