そこまでする社長の行動力にただただ何も言えないし、用意周到過ぎるとしか言いようがない。

マネをする気はないけれど、よくそんなことができたもんだなと関心と呆れからツッコミを入れたくなった。

「前にも、君が秘書になる時にも言ったと思うけど、俺は昔からやるからには徹底的にやると決まっているんだ」

確かに、言っていましたね。

「それはそうですけど、私を好きになった経緯と言うものがわからないんですが…」

我ながら何を言っているんだと言う話ではあるが、これと言った理由が見当たらない。

「覚えてないんだったら仕方がないか、君は急いでいたみたいだし」

社長はやれやれと言うように息を吐いた。

いや、それはこっちがやることだ!