これから、手紙のやり取りを続けて結ばれる日が来るのだろうと信じて疑わなかった。浅葱の頰を撫でながら、咲也は「何故……」と呟き続ける。刹那。
外から強い風が吹き、帷がバタバタと音を立てる。風はまるで春のように温かい。それを咲也が認識した刹那、どこからか桜の花びらが飛んでくる。
「桜?」
「一体、どうしてこんな真冬に……」
使用人や医者たちは困惑していた。だが、咲也だけはこの花びらに見覚えがあるとジッと畳に落ちた花びらを見つめる。忘れてしまった記憶と関係している、そう思った時だった。
「その女が病に倒れたのは、わらわが守護するのをやめたからじゃ」
玲瓏な声が響き咲也が顔を上げると、そこにいたのはサクヤ姫だった。フリルやリボンのついたピンクの着物ドレスと美しい顔立ちを見た刹那、咲也の顔色が真っ青になる。家を抜け出した時のことを思い出したのだ。
「サクヤ姫……」
「久しぶりじゃのう、咲也。すっかり立派になって。これでわらわとの約束を果たせるな」
外から強い風が吹き、帷がバタバタと音を立てる。風はまるで春のように温かい。それを咲也が認識した刹那、どこからか桜の花びらが飛んでくる。
「桜?」
「一体、どうしてこんな真冬に……」
使用人や医者たちは困惑していた。だが、咲也だけはこの花びらに見覚えがあるとジッと畳に落ちた花びらを見つめる。忘れてしまった記憶と関係している、そう思った時だった。
「その女が病に倒れたのは、わらわが守護するのをやめたからじゃ」
玲瓏な声が響き咲也が顔を上げると、そこにいたのはサクヤ姫だった。フリルやリボンのついたピンクの着物ドレスと美しい顔立ちを見た刹那、咲也の顔色が真っ青になる。家を抜け出した時のことを思い出したのだ。
「サクヤ姫……」
「久しぶりじゃのう、咲也。すっかり立派になって。これでわらわとの約束を果たせるな」