次は5歳くらいの小さな女の子を連れたお母さんとお父さんの3人の家族連れだ。

女の子の両手をお母さんとお父さんが繋いでいる。

私は女の子と視線を合わせるように整理券を持ったまましゃがんだ。



「今日は来てくれてありがとう。12時から始まるから、もう少し待っていてね」

「うん」



少し恥ずかしそうな女の子。

もじもじとしながら、整理券をそっと受け取ってくれる。



「髪の毛、二つに結んでるの、可愛いね。ママにやってもらったの？」



私は自然と女の子に話しかけていた。

その瞬間、女の子はぱぁぁあっと笑顔になり、私にきらきらの笑顔を見せてくれた。



「うんっ！　ママがやってくれたんだよ！　今日は魔法の世界に連れて行ってあげるから、おしゃれしようねって！」

「そうなんだね！　ママにおしゃれの魔法もかけてもらったんだね」

「うん！」

「この魔法の世界もきっとワクワクするから、楽しみにしててね！」



女の子は大きく頷いた。

私は立ち上がって、お母さんとお父さんにも整理券を渡す。