確かに、いつも鞄の中に入れて持ち歩いているけれど……。

アパートを飛び出してきたときに持ってきたのは、たまたまっていうか。

いつも鞄の中に入れていたから、そのまま手紙を持ってきちゃったというか。



「その表情は持っているんだね?」

「まあ……」

「ふーん。……って、もうこんな時間かぁ。そろそろ寝なくちゃ」

「明日も仕事だもんね」

「うん。先に寝るわ」



瑠奈はそう言って、立ち上がった。

片づけ終わっていない夕飯の食器を片付けようとするから、私は慌ててその手を止めた。



「いいよ。私が片付けるから。先寝てて」

「じゃあ、お言葉に甘えて。ありがと」



居候させてもらっているんだから、それくらいはしたい。

というより、させてくれないと私が困る。