「悠の前で泣いちゃったから、悠はすごく心配してくれてさ。ゆっくりでいいから、って励ましてくれて」

「うんうん」

「そのまま、私は泣き疲れて寝ちゃったみたいでさ。気づけば朝の5時だったんだよね」



悠の腕の中で泣いていた私。

『しんどい』って言いながら、いつの間にか眠っていた。

朝、ベッドの上で目が覚めた。

ぼやぁっとした頭のまま、時計を見れば5時だった。



「いつも隣で寝てる悠を見れば、その日はいなくて。すごく焦った」



昨夜、ワガママ言い過ぎたかな、とか、悠を困らせて愛想つかされちゃったのかなって思ったら、一気に頭が冴えて飛び起きた。



「そしたらさ、冷蔵庫の前でごそごそしている悠がいて、次は何しているんだろう? って、思ったよね」



私が起きたことに気づいたのか、悠は慌てた様子で冷蔵庫の扉を閉めた。



『起こしちゃった?』



って、悠が優しく微笑んでくれたことを今でも覚えている。

あんなに私、悠に迷惑かけたのに笑いかけてくれるんだ、と思ったら泣けてきた。