俺は手元の番号が書かれた紙を確認する。


俺はエントリーナンバー9。

9番目ってことか……。

緊張で額に汗が浮かぶ。


そう思っていると、ロックバンド風の4人組が座っていた椅子から立ち上がり、その女性のもとへ近づく。

女性は紙を確認した後、その4人の先頭に立ち控え室を出て行った。


これからステージの上に行くのか。

あの4人組、たたずまいが凛としていたなぁ。

雰囲気やオーラだけでも負けているかも、俺。

背筋をシャキッと伸ばそうにも、プレッシャーがのしかかって、すぐに丸まってしまう。


ダメだなぁ……。

俺はため息をついて歌詞を綴ってあるノートを見る。


佳奈。

……力を貸してくれよな。