ギターをケースから取り出し、チューニングを行う。

最終チェックだ。

自分で書きだした歌詞が書かれたノートも確認するが、頭に入ってこない。


緊張しているのか?

……緊張しているんだ、俺。


手が震える。

自分の心臓の音が鼓膜に響くくらいうるさい。

こんなんで大丈夫なのか?

不安でしかない。


不安に思っていると、控え室の扉が開く。



「時間になりましたので、オーディションを始めます。受付で配りましたエントリーナンバー順でお呼びします」



そこにはバインダーを持った女性が控え室の扉を開けて立っていた。


これから審査が始まるんだ。

いよいよだ……。