呼吸が楽になってくると少しずつ周囲のざわめきが戻ってきた。


「ほんとにすみません!!このティッシュも使って!!!」
「うわーーーーんっっっ!!!」
「え、あ、莉世の……知り合い、ですか、」
「……あれ、1年の片桐?」
「ぼくのメロンソーダーーーー!!!」
「こら、湖太郎はまず謝れ!」
「…莉世、この人って……どういう……」
「片桐くん、よかったらこれも使って」
「ああ、ごめん」
「洋服どうしよ?!新しいの買うよ!」



一回、目をギュッと深くつぶって頬に力を入れた。


……うん、できる。大丈夫。


「……ごめーんっ、驚いて意識飛んでた」



顔を上げて、泉を掴んでいた手を離し、それをとんっと遠ざけた。