真由ちゃんは明るくて温かくて、私の大切な友達だ。


地元の中学に行きたくなくて中高一貫女子校へ進学したけれど、人見知りの性格は急に変わるものでもなくぼっちになりかけたとき、真由ちゃんが声をかけてくれたのが始まり。

2人で話していれば予想通り待ち時間も楽しくて、あっという間にテーブルに案内された。

どれも美味しそうで迷ったけれど、私はベリーパンケーキ、真由ちゃんはマンゴーパンケーキを注文した。結局、王道に落ち着いちゃうところが私たちらしくて、2人で笑った。



「高1の夏も、なにもなく過ぎていったねぇ~」



パンケーキをあらかた片付けて、アイスティーのストローに口をつけながら真由ちゃんが言った。



「え、なになに。どーいう関係?」

「そりゃ彼氏ができなかったーってことでしょ」

「そうだね、出会いないしね」



中学から女子校育ちの私たちは、もはや同い年の男の子と話す機会さえあまりない。……泉は同い年だけどお父さんみたいなものだから除外。