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平日だけれど、夏休み中のショッピングモールはそれなりに混んでいた。
お目当てのパンケーキ屋さんも、長蛇の列だ。
「真由ちゃん、並ぶよね?!」
私は列を指さしながら、一緒にいる真由ちゃんに確認する。
「もちろん!絶対に食べて帰ろう!!」
力強くうなずく真由ちゃんと意を決して列に並ぶ。これは1時間半は並ぶかも?!
でも、真由ちゃんと並ぶなら、それも楽しい時間で、きっとあっというまに経ってしまう。
「ねーねー、莉世はどれにする?」
「迷うよねー」
「やっぱりマンゴーかな」
「いや、このハスカップも捨てがたくない?!」
「確かに!なんなら全部食べたい!」
店員さんが渡してくれたメニューを見ながら吟味する。カラフルなフルーツのあしらわれたふわふわパンケーキたち。
さっき潤くんとした会話を思い出せばきゅっと心臓がなるから、ぎゅっと頬に力を入れた。