「そーいえば、泉もそのショッピングモール、行ってるかも」
潤くんが私を見下ろしながら、いま思い出したというように呟いた。
「泉が?」
「なんか文化祭でいるもの、学校の友達と買いに行くとか言ってたよ」
「へぇ、じゃぁ、会うかもねー」
なんて言いつつ、絶対に会わないようにしようと考えていれば、頭上からぷっと吹き出す音が聞こえた。
「いま、絶対に会いたくないって思ったでしょ」
可笑しそうに肩を揺らす潤くんがいて、私は気まずくて俯いた。
「だ、だって、なんか気まずいじゃん……」
「なんで?」
「泉の友達もいるんでしょ?」
「平気でしょ」
「この前、偶然、泉と会った時、なんか誤解があったぽいから……」
「どんな?」
聞かれるので、この前の駅での出来事を簡単に話す。
潤くんは目をくりっと一周させて「あーそいうこと」と小さく笑った。