こんなふうに2人で並んで歩くのは、本当に久しぶりで。
じっとりとした汗をかくのは、残暑のせいばかりではないのは明らかだ。
「ショッピングモールにね、日本初上陸のパンケーキ屋さんが入ったらしいから、それ食べに行くの」
「へぇ、いいなー」
「潤くんも甘いの、好きだもんね」
「うん。どんなだったか教えて」
「食レポばりの感想を期待してて!」
「はは、すげー楽しみにしてる」
私の軽口に付き合ってくれる潤くんの優しげに細められた目を見れば、心の奥がさわさわと動く。
潤くんは、いつだって私に安心をくれる。
子供の頃を思い出して、体の真ん中が温かくなった。
……普通に話せて、よかった。
失くしたくないものだったから。
”幼馴染”から”恋人の妹”に立ち位置は変わったのかもしれないけど、やっぱり大切だから。