潤くんの着ている中学校の制服からは知らない匂いがしたのに、そのぬくもりは本物で、さらに涙が溢れる。 「……うちに行って、足洗おうか」 「……い、ずみ、いる?」 「……いない、よ」 いないんだ……。それならいいや……。 ほっと息を吐けば、目の奥がますます熱くなる。 潤くんの歩調に合わせて揺れる体が心地よくて、肩をぎゅっと掴んでそこに顔を押し付けた。