小学3年生の春に、隣に引っ越してきた姉妹。

引越しの挨拶にうちに来た時から、この気持ちはずっと続いている。

姉の友莉(ゆり)さんは俺よりも8歳年上の高校生で、子供心に綺麗な人だと思ったのを覚えている。


でも、それ以上に心奪われたのは、恥ずかしそうに俯いていた同い年の女の子。


マシュマロみたいに白い肌で、くりっとした明るい茶色の目を長いまつげが隠していた。



「泉だよ。よろしくね」



ひとまず自己紹介すれば、女の子はゆっくりと視線をあげて



「り、莉世です。よろしくおねがいします」



と呟いたその声に、心臓が飛び跳ねたんだ。