1月2日
今日は野球部のみんなで初詣に行った。行列が凄かったけど陽輝の隣に居たらあっという間に自分たちの番になった。野球が上手くなるのと陽輝が幸せになるようにお願いした。

2月26日
今日、部活で休憩中に水を飲んでたら横から陽輝が来て話しかけてきた。
「俊何飲んでるの?」
「水だよ」
「へ〜 あのさ、今日俺水筒忘れたから1口くれる?我慢してたから喉が死ぬ。」
「いいよ〜」
「あ、おれ滝飲み出来ないから口つけちゃうけどいい?」
「うん」
そう言いながら、内心はすごく動揺していた。え?つまり関節キス?マジか!でも他の人だったらなんにも思わないしな... やっぱ気持ち悪いかな...

3月1日
今日は僕の誕生日だった。朝学校に行くと僕のクラスにわざわざ陽輝が来てくれて
「俊誕生日おめでとう!!!」
と言いに来てくれた。わざわざ覚えててくれて嬉しかった!

3月15日
今日は、部活道具を家に忘れて再登校した。急いで学校に戻ると、ちょうど陽輝と一緒になった。
「あれ?陽輝も再登校?」
「うん。俊も?」
「うん!一緒に練習しない?」
「いーよ!」
って感じで一緒に練習できた!陽輝は僕より上手なのに、わざわざ僕に合わせてゆっくり走ったり取りやすい球を投げてくれたりした。そういうやさしい所が好きだなって思った!!!

4月5日
今日は春休み最終日だった。明日は始業式でクラス替えがある。どうしても陽輝と同じクラスになりたい。夜になるとどんどん不安になった。クラス替えが怖かった。今年が高校最後で、もし違うクラスになったらと思うとすごく怖かった。

4月6日
今日はクラス替え発表の日だった。だけど陽輝とはクラスが離れてしまった。泣きそうなくらい悲しかったけど無理やり笑って
「やった!孝太と一緒だ!」
と空元気を出した。もちろん、孝太と同じクラスなのは凄く嬉しいけどそれを喜べないほどショックを受けた。

5月3日
今日は、陽輝達と近所のお祭りに行った。1年に1回だからすごくたくさんの人がいた。どこからか聞こえてくる独特な音楽、所々にいる華やかな浴衣をきた人達、足元の小石を踏みしめる感触、屋台から香る香ばしい匂い、強い日差しから守ってくれる青々とした背の高い木々、その全部が懐かしくて着いただけでテンションが爆上がりした。屋台を見ながら歩いていると、人混みに押されて転んでしまった。いや、転んだと思った。近くにいた陽輝が支えてくれていた。王子様、再臨。
「俊大丈夫?」
「う、うん」
「ちゃんと周り見ろよ?ってかヤバいはぐれたどうしよ...っておい!」
今度は人混みに揉まれて遠くに流されそうになった。周りは大人だらけなので背が低い僕から陽輝の姿は見えない。必死に探してもどんどん流されてしまう。
「しゅん!」
声のする方を必死で振り返ると陽輝がこっちに手を伸ばしていた。一瞬ドキッとしたけどその手を取った。
「はぁはぁ...俊また?てかマジでここどこだよ」
「あっ... ごめん」
僕の不注意で陽輝を巻き込んでしまった。その罪悪感に苛まれながらもう1つの気がかりにつっこんでみる。
「あの...陽輝?手いつまで繋いでるの?」
さっき陽輝が僕を引き寄せる為に繋いだ手を離してくれない。いやではないけど僕の心臓がもたない。
「離したら俊またどっか行くじゃん。今度離れたら会えるか分からないし」
「そっか...ごめんね...」
「そんなに嫌なら離してもいいけど、俊とも離れて1人になった俺泣くよ?」
「あー 嫌じゃないです!ありがとうございます神様仏様はるき様!」
「よろしい」
陽輝がほんとに寂しそうにするから焦ったけどもう大丈夫だろう。
そうやって話してたら遠くから
「あっ!見つけた!はるきー!しゅんー!」
と声が聞こえた。どうやらみんなここに来たようだ。
「2人ともここにいたのか。探したぞ。大丈夫だった?」
「うん。大丈夫。ごめん。」
「そうか。っていうかはぐれたらLINEくらい見ろよな!」
「ごめんごめん...通知523件!?エグくない!?」
「だって全然連絡取れないし」
「いや〜 ごめんごめん反省してるって。ね!俊」
「う、うん!」
その後は何事も無かったかのようにみんなでお祭りを楽しんだ。

5月27日
今日は体育祭だった。すっごく暑い中競技が行われた。選抜リレーに陽輝が出ていた。陽輝は3人くらい抜かしててすごくかっこよかった。走るところはいつも部活で見ているはずなのに何故かそれとは全然ちがかった。かっこよさにさらに磨きがかかってた。陽輝が次の人にバトンを渡した後、無意識に前のめりになってた体を戻すと前に座る孝太と目が合った。
「俊ほんとに分かりやすいなw 目キラッキラさせて満面の笑みだったぞw」
と言われて少し恥ずかしくなった。

6月19日
今日は試合だったから少し遠くまで電車でいった。行きの電車がすごく混んでてギッチギチの満員電車だった。陽輝と一緒に乗ったから陽輝に押し付けられた。すごくいい匂いだったけどそれ以上に距離の近さが気になった。陽輝に
「なんか近くない?」
と言うと
「いつもとあんま変わんなくね?」
と返ってきた。言われてみればそうだけど、いつもはもっと短時間だしこんなに無理やり押し付けられてない。だけど、頑張って落ち着いたら、陽輝の梱包感といい匂いに包まれてすごく幸せな気持ちになった。

7月16日 (土)
今日は野球部のみんなで志望校の話をしていた。陽輝は海外の大学に行くらしい。僕は英語が苦手で海外の大学なんて無理だし、行きたい大学も決まっていたので高校卒業したら別々になることがはっきり分かった。陽輝と一緒にいられるのは残り半年とちょっと。そう考えると今までの思い出を思い出して悲しくなった。