「そろそろ家に帰ろうよ」陸が夢香を家に引き戻そうとする。
「どこへ行っても、あの部屋に帰ってもあなたはついてくるのよね?」
「そう、だから僕から逃げることはできないよ」
夢香は半分諦めた様子で、来た道をゆっくり歩いて戻る。
なんで私なのよ!夢香は心の中で叫んだ。
夢香の歩いている横に陸も歩いている。これは他の人には見えないんだ、私1人で歩いているとしか見えないんだ。「ねえ」夢香が陸に話しかける。
「どうしたの?」
「これって他の人には見えないのよね?」「もちろん」「なら、私は独り言を言ってるの?」「側から見たらそうなるね」「もう!どうすればいいのよ」