ほっと静かに,自嘲するような息が,自然と出た。
ほらね。
私,その答えを知ってたんだもん。
「土曜日は親と用事があって…日曜日は」
もう,言わなくていいよ,流雨。
答えは変わらないんでしょう?
だから,聞きたくないの。
その続き,私知ってる。
だから,もっと聞きたくないの。
流雨の視線が,茉莉さんに移るのが,分かる。
同時に,茉莉さんが困惑する空気も伝わってきた。
女の勘,かな。
私の気持ちが,勝手に伝わったんでしょ?
私が傷ついてるの,気づくのは流雨じゃない。
私も,分かったよ。
茉莉さんも"流雨の隣にいたい人"なんだよね。
顔をあげたとき,茉莉さんと目が合って。
私はなんでか,笑みがこぼれた。