「えっくれるの?」

「え,なんで?」



目の前に出されたパ⚪コの片割れ。

私がびっくりして訊ねると,流雨は逆にと言うように驚いた。

そうだ。

流雨は当たり前に,いつも半分分けてくれるんだった。

私はどうしようとおろおろして,自分の手元に目を向ける。



「じゃ,じゃあ。これ,流雨も飲んでいいよ」



ストローをさしたての,ミルクティー。

ちょっと恥ずかしいけど。

そうは付け足さず,私は心に仕舞い込んだ。

流雨がふっと私に影を落とし,一口飲む。

自分で…! 持ってよ…

肩を震わせた私は,カップを流雨に押し付けて,受け取ったアイスをちうっと吸った。

流雨は流雨で,大人しくジュースを持っている。