「もうすぐ卒業か~」

「そうだね」

「どっちも受かって良かったよ! イエーイ」



私は,由芽のハイタッチに応えながら,半年もの月日を感じていた。

正しくは,流雨と別れてから半年。



「今日,どうする?? どっか行く?」

「いいね」



由芽と合わせるために上げた右手首には,いつか,流雨にあげたものと同じミサンガが着いている。

スマホに着けてくれた流雨が目立っていたのに,私まで着けていたら…

と付き合って直ぐ,私が躊躇して,綺麗な箱にしまって置いたもの。

ずっと手元に置いておくのは嫌で,だけど捨てるにはあまりに悲しくて。

切れてしまったならいいだろうと,自分で着けた。