『待っ…て。ごめん,琴音。俺,言っても昨日だけど,気付いたから。琴音のことも,2人の時間も,大事に出来てないって。謝ろうと,思ってて,もう記念日だって…』


多分記念日を忘れていたとか,そんな話じゃなくて。

それを含めた日々の積み重ねで。

もう,謝ったって遅かった。



『流雨,聞いて』



そう言った琴音の決意を。



『流雨,私。今日で流雨の彼女,やめます』



見くびれるわけがなかった。



『流雨とそうゆう話,しなかったけど。私が言わなかったのはもっとだめだよね。分かってる』



話をしなかったのは,当たり前に,琴音も俺も近くにいると思ってたから。

現に俺は県内の大学から選んでいる。

そうなると思ってても,結婚とか,そんな大きなことまで意識していたわけじゃない。

ただ純粋に、ずっと隣にいてくれるって,思ってたから。