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「あ…えっと,由芽,さん? だっけ。琴音がどこにいるか知らない?」



『学校でも,もう,会わないようにしよう』

やっぱり,それは納得できなくて。

そもそもまだ,繋ぎ止めたくて。
 
見つからない琴音を探して声をかけたのは,由芽という琴音の友達。

…だった気がする人。

驚いたように俺を映したその目から,キッと睨まれて,俺は萎縮する。



「知らない」

「そ,そう,なんだ。あり…」

「2人の関係に私は口を挟む気はないし,流雨くん個人で何をしようと同じ。でももう,私にそれを聞かないで」



はっきりそう言いきった由芽さんは,グッと泣きそうな顔をする。

それだけ俺の言葉が,由芽さんに棘を刺したのだと気がついた。

…きっと俺よりも琴音を見てきただろう由芽さんのその表情が意味するのは,きっと小さなことじゃない