思えば私は。

流雨とのこの関係は。



『じゃあ…わがまま,言っていい?』



私はミサンガを受け取って欲しいっていう,わがままから始めた。

それからはずっと,わがままばかり。

さみしい。一緒にいたい。笑って欲しい。ちゃんと私を見て欲しい。

その1つすら口にせず。

明日は? 今週は?

控えめに,バカの一つ覚えみたいに流雨を誘う日々。

ちゃんと話していたら,違ったのかな。

ううん。もう,仕方ない。

だから,どうせなら開き直ろう。

どうせこれが,最後のわがまま。

なにとは言わないけど…



「私の次の女の子が出来たら…ただの日常の一部にしないで,その上で,ちゃんとその子に向き合ってあげて」



泣かせ,ないで。

そして,流雨もちゃんと幸せになって。

不甲斐ない,彼女でごめんね。

私を,彼女にしてくれてありがとう。