だけど…


「流雨,私。大学は,都会のすごく遠い所にしたの。一人暮らしなんて,緊張しちゃう」

「琴…」

「流雨とそうゆう話,しなかったけど。私が言わなかったのはもっとだめだよね。分かってる」



もう決めたの。

自分のために。



「もちろん,言うことだって出来た。でも…どうしても,流雨と続けていく自信が無かった。2人の未来が見えなかった」

「だけど…!」



流雨がいたら,私はきっとすがっちゃう。

その存在に,必要以上に振り回される。

不定期な愛の供給を受けて,私はまた,夢を見る。



「もう,泣きたくない。流雨とのことで,傷付きたくないの」



意図したわけじゃないのに,顔が歪んで。

流雨は,驚いたように息を飲んだ。