行ってしまわれた美都様。
きっと奏のところに行ったのだろう。
女が近寄ってきて……離れようが、利益が変わるぐらいで別に何も思わなかったはずなのに。
たまらなく、胸がモヤモヤしていた。
優しくて美しくて愛らしい美都様。
ふわふわしていて、とても優しい笑顔。
頭に焼き付いて仕方がなかった。
正直……自分でも、どういうことかよくわからなかった。
だけど……今なら断言できる、俺は美都様が好きだと。
まぁ……叶わない恋だが。
今まで女なんて簡単に手に入ったのに……本当、俺どうかしてる。
またそんなことを考えてしまった。
美都様は俺みたいな汚れた人間ではない。
だから、明るい世界にいて欲しい。
そんなことを考えるけど……やはり、どこかこの腕の中にいて欲しいなんて考えてしまって。
「お兄ちゃん!美都さんと付き合ってるんでしょ?」
どこからか現れた咲。