な、なんだかマウントを取るような言い方……。


「行こうか、美都」

「あ、うん……」


男の子達にぺこりと頭を下げて、奏くんと共に歩き出した。


「なぁ……見たか、やっぱり天使だよな」

「あんな美しい方、この世に存在するなんてありえない」

「本当、二次元以外に美都様しかいない……」


また何か喋っていたけれど、はっきりとは聞こえなくて……だけど、奏くんの私の手を握る手の力が強くなっていることだけはよくわかった。


「あ、あの……!奏様!」


そう言って近づいてきた女子生徒。

当たり前のように奏くんは無視して、歩き続ける。


こんなに無視してるのは可哀想だし……。


「どうかされましたか?」


私がそう聞く。


この子は……見覚えがある。

同級生だよね。