そんなこと、最初から重々承知の上だった。

でも……面と向かって言われると、ショックが大きい。


俯いた時だった。

優しく奏くんに握られていた私の手。

会話をしていた男の子達の方へ引かれて行く。


「おい……今のはどう言う意味だ」

「っ……!会長……!」


青ざめている男の子。


「か、奏くん威嚇しないで……!」


私は気にしてないし……!


「違う……俺達美都様ファンクラブが反対しているのは美都様の御家柄のことじゃない!!」

「そうだ!!久宝家は代々妻への愛が重いことで知られているからな!」

「純粋な美都様がお前なんかに嫁いで心配してるだけなんだよ!!」



次々集まってきた男の子達。

奏くんに向かってそんなことを言っていた。


久宝家は、代々妻への愛が重い……?


「……あ”?」


ものすごく低い声で男の子達を睨みつけた奏くん。


「お前達美都のファンクラブ止まり程度のヤツが俺に何ほざいてんだよ」


学園では無表情で有名なのに、これでもかも言うほどに嘲笑った奏くん。