「日下部さんてしっかりしてるよね。」

高島さんは今度は色素の薄い瞳を細め大人っぽく微笑んだ。こちらの方が彼女のイメージ通りだった。

「えっ、そんなことないよ、た・・・」

高島さんの方が・・・と続けそうになったけれど、それでは先程の電話を聞いていたことがばれてしまうかもしれないと思い言い留まる。すると彼女は『あ。』と言って立ち止まった。トイレに忘れ物したとかかな?と思ったがポケットをごそごそしているので一緒に立ち止まる。