「1年の時も入賞してたよね。」

「えっ・・・!?う、うん・・・。」

「俺も本読んだり文章書くの好きだから読書感想文は何気に張り切るんだ。でも入賞したことなくて。」

「あそっ、そうだったんだ。」

淡々と言われ反応に困る。

「独特の表現するよね。すごいと思う。よくこんなの思いつくなって思ってた。」

佐原くんは初めてこちらを見て言った。こんなに近くで人と目を合わせるなんていつぶりのことだろう。強い眼差しにドギマギしてしまう。