不格好に笑う彼女を見ながら、背を向ける。笑顔で終わりにしようという彼女なりの努力だろう。
それに気付かないふりをして、俺はその場を離れた。
もう、会うことはないだろう。
同じ学校だから、顔を合わせることはあっても、何事もなかったかのように時はすぎていく。
「………くそっ。なんで、彼女を幸せにしてやれなかったんだ!」
誰にも聞こえないように、悔しさを口にする。
自分勝手過ぎるとはわかっていたけどこうすることしか出来なかった。
まだまだ未熟な俺は、くちびるを噛み締めることしか出来なかった………。
***
あれから2年後。
「この度は、ご卒業おめでとうございます」
俺たちは、卒業式を迎えた。
彼女と別れてからの日々は、目まぐるしくすぎていき、気づいたら卒業を迎えていた。
あの日………別れ話をしてから彼女とは1度も話したことは無い。