リアの悪行は酷かった。
聞いた話によると、掃除し終わった部屋に油を撒いてやり直しをさせたり、服が少し汚れていただけでクビにしたり。
何より酷かったのが、理容師がリアの希望より少し多く髪を切ってしまった時は、それだけでバイク引き回しの刑にさせたらしい。
どおりで、髪を切ったときにみんなが顔を青くしていたわけだ。
残バラな髪を切りそろえ、整えてくれた理容師も、手が震えてしまっていて可哀想だった。
「従者がいないのはしかたないよ。それに、身の回りの事は一人でできるし、別に無理に欲しいとも思わないから」
部屋の掃除も苦じゃないし、着替えや風呂を手伝って貰うなど、恥ずかしいからどちらかというと居ない方が助かるくらいだ。
「つくづく変わった考え方だ。今までのリアからすると信じられない」
「わたしの世界だと、こういう考え方が普通なんだよ」
ロットが調理器具を取り出してくれると、わたしはうでまくりをした。
料理は、唯一わたしが活躍できる仕事だ。
プーリーに火起こしを教わりながら、準備を進め、デフを待った。
暫くすると、大きなウサギのような動物を捕まえて帰ってきた。
耳を持たれ、プラーンと体が揺れていた。耳はウサギの様に長いくて、尻尾もウサギのように真ん丸だけれど、手足が長くキツネのようだ。
「こ、これなんて動物?」
「キツネウサギだけど?」
「………」
見た目も名前もそのままだった。