デフとカムが狩りをしている間に、他の男達は簡易的なテントの様な物を張った。

集めた柔らかな葉を地面に敷き詰め、布をかけ布団を造った。木々に紐を梁り、布をかけると目かくしになった。
羽虫くらいなら防げるし、布一枚でも気持ちが違う。しかし空間は二畳ほどしかないし、寝るスペースはその半分ほどしか無い。


「みんなで寝るには狭くない?」

「何を言っているんすか。俺達はこんなの要らないですよ。これは総長と姫様が寝る場所です」

ロットが呆れていた。


「ええ?!」

なんでカウルとわたしなのだ。


「いいよ。わたし地面で大丈夫だから、カウルが使いなよ」

「そんなこと出来るか。俺が嫌なら一人で使え」

「いやいや。それもちょっと!」


何も働いてないのに、みんなを差し置いて一人だけ豪華なところで寝るっていうのは気まずい。


「なんだ、どうすればいいんだ」

カウルは憮然とした。


「姫様、森は危険なんです。色々なものからお守りするには、総長に付いていてもらうのが一番ですよ。わがまま言ってないで、大人しく総長と寝てくださいよ」


ロットに注意され、首を傾げながらしぶしぶ頷く。カウルは笑っていた。

「生意気な奴ですまないな。男所帯は大変だろうから、ゆづかにも従者をつけれたらいいんだけどな」


当然、リアにも世話係が居たのだが、リアから毎日のように被害を受けていたらしく、わたしの意識になって以降、1度手伝いはいらないと言ってからは、未だに立候補してくれる人は現れない。