プーリーとわたしの稲穂探しの遠征には、カウルと世話係のロットと、数人の警備隊が付き添ってくれた。

森にバイクで入るのは難しいため、城から馬で出発をした。バイクに乗るのは警備隊だけで、基本の移動は馬が多いらしい。
わたしはカウルと一緒に乗った。乗り慣れていなく、森へ着く前の数時間で、すでにお尻を痛めた。

馬は難しい。
カウルの前に乗せて貰ったわけだが、どこに掴まり、どこに力を入れればよいのかわからなかった。カウルが後ろから腕で押さえてくれてはいたが、バイクの時のように後ろに乗せて貰い、しがみついた方が安定しそうだ。


森の入口に着くと、太陽が頭の上を過ぎていた。森へ入ればすぐに暗くなってしまうだろう。
日帰りは難しいため、一日、野営をすることになっている。麻でできたおおきなバックパックを背負い、馬を引いて森の中へと進んだ。

森を三時間ほど奥へ進むと、木々が開けた湿地帯に出る。そこは雨季に水が溜まり、乾季になると自然と水が捌けるところがある。
稲穂らしきものが採れるという、そこを目指した。

森の途中ではリスやキツネなど、元いた世界と変わらない野生動物を見ることが出来た。

食事は干し芋などの軽食は持ったが、基本は現地調達となる。
途中途中、プーリーに教わりながら木の実など収穫した。


「今日はこの辺りでやめておこう」

適当な場所を見つけると、真っ暗になってしまう前に野営を張ることになった。馬を木につなぎ、荷物を下ろすと水を飲ませた。