「うわ、大成功。いそげいそげ。写真だ」


サニーレタスに半身が掛かるように盛り付ける。その横に前日に付けておいたタマネギのマリネを添えた。タマネギも自分の畑で収穫したものだ。

できあがった品々を急いで円卓へ運び、転がってしまったミニトマトの場所を修正する。ご飯と味噌汁も並べ、お気に入りのくまが寝そべった形の箸置きに箸をかけた。

黒豆や赤米が、白米をほんのりピンクに染めているのを見て、ごくりと唾を飲んだ。

早く食べたい。

揚げたてにかぶりつきたいのをぐっと堪え、SNS用の写真を何枚か撮った。
あとは食べながらにしよう。夕食を頬張りながら、写真を少し加工したり、文を考えるのも日課であった。


「よし! いただきまーす!」


パンと両手を鳴らすと、味噌汁の茶碗をとり一口飲む。味噌のしょっぱさが一気に胃に染み渡った。続けてお米をそのまま一口。所々にはいっている玄米やヒエのプチプチとして食感が堪らない。米の甘みを充分に咀嚼し飲み込むと、お目当てのササミフライをつかみ、大口をあけた。最初はソースをかけずにいただこう。

ああ、今日も幸せだ。
平穏に生き、おいしいご飯を食べる。作るのも食べるのもなんて楽しいんだ。今日のわたし一日お疲れ様。たくさん食べるんだぞ。


誰もいないのに、あーんと大口を開けながら満面の笑みになった。