「してないしてない! ただ、毎日ジャガイモで皆様の栄養バランスは大丈夫かなーー? ってちょっと心配を……」
「てめぇが畑を駄目にしたんだろうが!!」
物凄いドスのきいた声で怒鳴られ、ひっと目を瞑った。
ぎゃーどうしようヤンキー……じゃなくて警備隊怖すぎる!
ーーーーじゃなくて! リアが畑を駄目にしたの?!
「え?ど、どうやって…?」
「しらばっくれやがって。お前の天気を操る魔力で、竜巻を起こしわざと海水を降らせたからじゃないか! 忘れたとは言わせないぞ! 国内の有力な畑を次々と塩浸しにしたくせに!!」
「えぇ?! わたし魔法つかえるの?!」
つい興奮して聞き返してしまってから、しまったと口を塞ぐ。
カウルは呆れた視線を寄こした。
「このくそ女、ふざけてんのか」
ラジがキレる。
「違う、ごめん、今のはうっかり……いっ……!!」
ちゃんと釈明をしようと思ったらこめかみにガッと堅い物がぶつかった。
床にコロコロと転がったのはジャガイモだった。
「っくぅぅ」
いったぁーー!!
呻いてその場にうずくまる。ジャガイモ堅すぎぃ。
バカだ。怒らせてどうするの謝らなくちゃ。
「ごめんなさ……」
痛みを堪えてちゃんと謝ろうとしたら、次のジャガイモがどすっと肩に当たった。
これも痛い。はっと顔をあげると、みんながいっせいに何かを持って振りかぶっている。
ど、土鍋投げたら殺人罪で立件できちゃいますからーー!!