貴族など位の高い者が処罰をうけ、監視下に置かれる場合、自室に軟禁だとなにかで聞いたことがあった。
監視をつけ、行動を制限するのみである。よほどの事がない限り、酷い扱いは受けない。
しかし、一度脱走を試みた者などはそんな温情などなかったこととなり、監禁へと切り替わる。


ーーーーわたしの部屋は、地下牢といった、尊厳も信頼も無くした場所であった。

簡素なベッドとトイレがあるのみ。いや、トイレがあるだけマシなのかも。
ベッドは撫でるとゴワゴワとし、うすい布をぺろっと捲ると藁のような植物が敷いてあった。
石の上よりマシだな、と自分を納得させる。

窓もなく、格子の外側には見張りが二人ついた。


「……牢屋だ……」


初めての経験に、なんとも言いがたい気持ちになった。


「何度も見張りを誑かして脱走したんだ。仕方ないだろう」

「それは確かに仕方ないかも……」


以前のリアはやっぱり反抗的だったようだ。しばらくはここかがわたしの部屋になるらしい。一生ここは勘弁してもらいたい。狭くて良いから、せめて窓のある部屋にランクアップしたい。


「信頼回復に努めます……」


やっていけるのかな。
いや、やらねばならない。


呆然としながら呟くと、チッと舌打ちをした見張り役に、勢いよく格子を閉められた。
ガラガラガシャンと響いた鉄格子の音に、すでに気持ちが折れそうになった。