「奉仕します! 尽くします!」


なんかみんな揉め始めたぞ。今しかないと思い、喜々として叫ぶと、「うるせぇ黙ってろ!」と一喝された。
怖い。このドスのきいた感じやっぱり不良っぽい。

ほんの数メートル引き摺られただけで全身が傷だらけになっていた。たかが擦り傷。だが地味に痛い。
肩からは血が出ていた。きつく縛られた腕は既に感覚がない。

そんな時なのにまたきゅるるとお腹が鳴った。
こら、空気を読めわたしのお腹。

わけわかんないけど、わたしは二度目の人生を終えようとしています。多分神様が忙しすぎて、転生のタイミング間違えちゃったんだね。

わたしは食べ損ねた夕飯を思い出した。
ナスさんトマトさんタマネギさん。食べてあげられなくてごめんね。ササミフライ、わたしあなたのこと永久に忘れないよ。

背中とおなかがくっつきそうだ。
1食抜いただけなのに、なんでこんなにも飢えているんだろう。
そういえば体に力が入らない。もしかしたら飢えているのはこのリアって女の子かもしれない。
なんだか凄い悪人みたいだし、今日までちゃんとご飯を食べていなかったのかも。

色々と諦めてくたりと力を抜くと、「顔を上げろ」と声をかけられた。
カウルだ。