「でも…好きじゃないのに付き合うなんて出来ない」

「あれ?でも」

健悟は、佑典が中学校を卒業した日の事を思い出し、

「こいつさ、ゾノの中学の卒業式の日、めちゃめちゃ泣いてたんだよ~。
告白しろって言ったんだけど、寂しいだけで、好きじゃないとか言って、結局、告白しなかったっけ」

中学校が違う朝来に話した。

「ええ!?
もうそれ好きじゃん!」

朝来のテンションが上がる。

「だから!それは寂しいだけで」

「なんとも思わない人が卒業したら、『あっ、そう』で終わるよ。
絶対泣かない」

喜々良の言葉を遮り、朝来は言ったが、

「それはお前が淡白なだけだから」

健悟が横から口を挟む。

「じゃあ…わたし、中学生の時からゆうちゃんの事」

「好きだったんだよ!」

朝来が笑った。