弥生子が溜息をつき、咲子の実母について語る。
「まあ、美佳子さんは昔から、ああいう感じだから。
そうね。
まだ私の方がやさしいかもね」
お義母様とお母様。
実は、非常によく似てると思うのですが。
でもまあ、お義母様の方が他人な分、まだ遠慮してくださってるところがありますよね、と咲子は思う。
こういう勝手で美しい人が父の好みなのだろう。
そこで、咲子はふと、実母の悪行(?)の数々を思い出していた。
「そういえば、幼いころ。
私、あるパーティで海外から一時帰国されたお友だちと久しぶりに会えるのを楽しみにしていたのですが。
母はおしゃべりに夢中になって、寝ている幼い私を馬車に残したまま、お友だちと降りてしまって。
御者の人も私に気づかず、私を乗せたまま帰ってしまい。
私はそのままずっと馬車で寝ていました。
母はパーティが終わるまで私がいないことに気づかず、そのお友だちには未だに会えてないですね」
「でもそれ、ずっと起きなかったあなたにも問題ない?」
いやでも、年端も行かない幼子でしたからね……。
「まあ、美佳子さんは昔から、ああいう感じだから。
そうね。
まだ私の方がやさしいかもね」
お義母様とお母様。
実は、非常によく似てると思うのですが。
でもまあ、お義母様の方が他人な分、まだ遠慮してくださってるところがありますよね、と咲子は思う。
こういう勝手で美しい人が父の好みなのだろう。
そこで、咲子はふと、実母の悪行(?)の数々を思い出していた。
「そういえば、幼いころ。
私、あるパーティで海外から一時帰国されたお友だちと久しぶりに会えるのを楽しみにしていたのですが。
母はおしゃべりに夢中になって、寝ている幼い私を馬車に残したまま、お友だちと降りてしまって。
御者の人も私に気づかず、私を乗せたまま帰ってしまい。
私はそのままずっと馬車で寝ていました。
母はパーティが終わるまで私がいないことに気づかず、そのお友だちには未だに会えてないですね」
「でもそれ、ずっと起きなかったあなたにも問題ない?」
いやでも、年端も行かない幼子でしたからね……。